03  胸の張りはじめのセルフケア

2~9日目に胸が張り始めてきます

ピークは2日ほどですが、母乳が増えていくためには、このタイミングはとても大切です


★ 胎盤がはがれてから産後39日目に急にパンパンに張ってくる うつ乳

 

胎盤がはがれてから徐々に母乳を作る準備が進み、産後3~9日目に胸が張り始めてきたかなと思っていると、一晩で急激に張り始めます。

 

 

上手に吸えている場合は、吸ってもらっていると着いてくるのですが、吸いにくかったり、吸っていても上手く吸えていない場合は、特に張りが強くなります。

 

 

今まで様々な病院で努めてきましたが、うつ乳は張り返すから、なるべく絞らずにアイスノンでしっかり冷やす というケア法をよく見てきました。

 

 

この方法でパンパンの張りは落ち着くけれど、胸が硬くなって母乳量も減ってしまう場合があることががずっと気になっていました。

 

 

今考えると、母乳を貯めたまま冷やすと言うのは、断乳のケア方法です。

 

 

うつ乳の胸を見ると分かりますが、うつ乳は、急に胸が張り始めて、内圧が高まり、水分が押し出されてむくんだ状態です。

 

 

ですから、むくみのケアをすることで落ち着いてきます。

 

 

乳輪のむくみをとってあげれば、乳輪はやわらかくなって、赤ちゃんが飲みやすくなります。

 

 

母乳が出されることで胸の張りも徐々に落ち着いてきます。 


 ★ソフトニング母乳ケア(プリンのケア)

 

胸を、お皿の上にプリンが載っているイメージで考えてみましょう。

お皿は胸の肋骨や筋肉、プリンはおっぱいです。

 

胎盤が出たホルモンの刺激と水分調整の不安定さで、産後2-9日目に1度胸が急に張ってくるうつ乳や、おっぱいの詰まりで流れが滞ると、プリンの底が張り付く状態になります。

 

プリンの底がお皿にしっかり張り付いている状態でお皿を動かすと、つまりプリンを動かそうとすると、プリンには部分的に負担がかかってしまいます。

胸の底が癒着した状態で、おっぱいや乳首をケアしようとすると痛いのはこの為です。

 

また、張り付いた状態でプリンの底を支えて動かそうとすると、プリンの底に負担がかかります。

胸の底が癒着した状態での、基底部マッサージは、同様に底の部分に負担がかかり、痛みもあります。

 

おっぱいがパンパンに張るうつ乳や、詰まってしこりになった場合、乳腺炎のケアで最初に必要となるのは、張り付いた状態を底の外側からそっと緩めていくことです。

 

方法(1)脇のリンパへ流します。

① 脇の下と胸の間の部分に反対側の手を置いて密着させます。

② 小指側を胸の底に向かってほんの1mm抑え、そのまま脇の下に向かってほんの5mmくらい表面の皮膚を脇の下方向にずらす様に動かします。

③ 少しずつ脇の下側に移動して同じ様に動かします。

④ コツは、ゆっくり、ソフトに行いますが、表面の皮膚は小指側と一緒に移動するようにします。

 

 

方法(2)胸の底を整えます。

上の搾乳と同じほうほうです。

強く圧迫したり、痛く頑張るのではなく、特に最初はソフトに行います。

沢山母乳を出そうとしたり、長時間行うのではなく、授乳前の2~3分で整えます。

それから、授乳を行ってください。

 

排水管であるおっぱいの底を先に緩めることで、胸のリンパの流れがスムーズになり、おっぱいの自然な調整能力が生き生きと働き始めます。

 

この方法でケアをしていくと、ケアしている場所の他の部分も、あれ?しこりが軽くなっている!!という事を良く経験します。

 

 

出口である乳管や乳頭部分と、排水管であるリンパの流れが整えられると、自然な胸の流れも良くなるという事なのかなと思います^_^

 

乳房リンパケアと聞くと、乳房のリンパをゴリゴリと剥がして痛いのではとイメージされる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、乳房のリンパケアとは、リンパをソフトに整えるケアです。

 

 

胸の排水管を緩めてケアしながら、緩んだ場所の出口である乳頭乳輪をケアしていくと、胸への負担を最小限にとどめながら、リンパの流れを整えて、胸に備わっている自然の力をスムーズに生かしていく事ができるのではと思います。